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2023年

牛βカゼイン遺伝子型検査を開始

一般社団法人家畜改良事業団(理事長 富田育稔)は、乳タンパク質の主成分であるカゼインに関連する牛βカゼイン遺伝子型検査について、令和614日(木) よりホルスタイン種を中心とする乳用種を対象に開始することとしましたのでお知らせします。

牛乳に含まれるタンパク質であるβカゼインには、βカゼインA1とβカゼインA2があり、どちらを含むかは、牛の持つ遺伝子によって決定されます。本検査は、対象牛がもつβカゼイン遺伝子変異の遺伝子型(A1/A1型、A1/A2型、A2/A2型)を判別するもので、A1/A1型の個体からはβカゼインA1の牛乳が生産され、A2/A2型の個体からはβカゼインA2の牛乳が生産されます。

 

なお、検査申込、検査料については、申込窓口の日本ホルスタイン登録協会にお問い合わせください。

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
家畜改良技術研究所
群馬県前橋市金丸町316
担当 遺伝検査部 塗本 雅信(ぬりもと まさのぶ)
TEL/FAX:027-269-2441/027-269-9331
E-mail:nurimoto@liaj.or.jp
令和5年度 和牛改良講演会 沢山の方にご参加いただき終了しました!

令和5年11月27日(月)久世エスパスランドエスパスホール(岡山県真庭市)にて、一般社団法人家畜改良事業団 岡山種雄牛センター(場長 岩間 悟)主催の「令和5年度 和牛改良講演会」を開催しました。

中四国地方を中心に、各関係団体および生産者など約150名の方々に参加いただきました。

今回は、群馬県畜産試験場 主席研究員 加藤 聡 様を講師に迎え「和牛におけるゲノミック評価の活用について」と題してご講演いただきました。

群馬県畜産試験場では県内の繁殖雌牛の改良および市場活性化を図ることを目的として、平成26年度から家畜改良事業団と連携してゲノミック評価を実施。評価結果をもとに繁殖雌牛を整備してきました。

高ゲノミック評価雌牛から採卵・移植し、産まれてきた雌産子全てをゲノミック検査実施、そして高評価雌牛を保留して行くことで、雌牛の遺伝的能力が短期間で飛躍的に向上しました。また、県内の渋川家畜市場においても、ゲノミック評価値を市場名簿に掲載する取り組みを開始。平均取引価格については、平成30年度では全国平均を下回っておりましたが、令和4年度には全国平均を上回る状況になったとのことです。更に令和5年度には、畜産試験場から上場された雌子牛5頭が高額取引されました(5頭平均4,053千円)。

雌牛の能力向上と同時に多くの候補種雄牛を作出し、福之鶴・福勝鶴をはじめ4頭の種雄牛が検定済種雄牛として選抜・供用されております。

参加者の方々には、ゲノミック評価の優良事例としてお持ち帰りいただき、各県での取り組みの参考にしていただければ幸いです。

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
岡山種雄牛センター
岡山県津山市宮部下415
担当 栗田 篤(くりた あつし)、志村 敦(しむら あつし)
TEL:0868-57-2475
令和5年度 和牛改良講演会を開催します

令和5年11月27日(月)久世エスパスランドエスパスホール 岡山県真庭市 にて、岡山種雄牛センター(場長 岩間 悟)主催の「令和5年度 和牛改良講演会」を開催いたします。
今年度は、和牛生産におけるゲノミック評価の活用について、当団が行っている種雄牛造成への活用や、農家での繁殖雌牛整備への活用について当団の改良部肉牛調査課 課長 四宮将和よりお話しします。また、群馬県内の雌牛整備と県内市場の活性化の取り組みに加えて、昨年8月に選抜されたP黒1125 福之鶴(父:福之姫)をはじめ数多くの種雄牛を生産している群馬県畜産試験場で主任研究員をされている加藤聡様を講師に迎えて、県内でのゲノミック評価の活用についてご講演いただ きます。
多くの方のご参加をお待ちしております。
開催日時 令和5年 11 月 27 日(月)12:00~15:15
場所 久世エスパスランド エスパスホール 岡山県真庭市真庭市鍋屋 17 1
主催 (一社)家畜改良事業団 岡山種雄牛センター
演題 「肉用牛におけるゲノム情報の活用」
講師 (一社)家畜改良事業団 改良部 肉牛調査課 課長 四宮将和
演題 「群馬県におけるゲノミック評価を活用した取り組み」
講師 群馬県畜産試験場 主席研究員 加藤 聡 様

開催案内

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
岡山種雄牛センター
岡山県津山市宮部下415
担当 栗田 篤(くりた あつし)、志村 敦(しむら あつし)
TEL:0868-57-2475
2023年度乳用牛改良推進実施計画の決定について

乳用牛改良推進協議会は、各都道府県の乳用牛改良関係者と連携して、我が国の乳用牛改良を推進するため、国内ゲノミック評価の改善と普及に努め、遺伝的能力評価値等の情報発信を積極的に行いつつ、優れた国産種雄牛の作出とその利用拡大等に取り組んでいます。
本協議会では、ゲノミック評価技術の進展を踏まえ、後代検定の効率化とヤングサイアの活用について検討してきたところですが、令和5年7月14日に開催した乳用牛改良推進会議において、「2023年度乳用牛改良推進実施計画」が決定されましたのでお知らせします。

◎2023年度乳用牛改良推進実施計画

<2023 年度の基本方針>
①ゲノミック評価の改善
(独)家畜改良センターが行うゲノミック評価技術を用いた遺伝的能力評価(以下、国内G評価)のリファレンス集団に、2023-8月評価から雌牛を追加し、信頼度の向上を図る。
②ヤングサイアの活用
国内G評価の進展を踏まえ、「ヤングサイア」と「より信頼度の高い検定済種雄牛※」の活用により、乳用牛改良の加速化を図る。
※ ヤングサイアとしての一般供用により、多数の娘牛を得た種雄牛。
③調整交配の再構築
後代検定における調整交配の目的を、これまでの「検定済種雄牛作出のための検定娘牛の確保」から、「国内G評価の信頼性の維持・向上のための最新世代のデータ(血統情報、SNP情報、牛群検定、体型審査)収集」に見直す。
なお、娘牛生産・配置の仕組みは、現行を基本とする。
④後代検定の効率化
国内G評価の進展とヤングサイアの活用を踏まえ、調整交配を行うヤングサイアは厳選する(検証を行いつつ段階的に絞り込む)。また、ALIC事業を活用し、調整交配協力農家でのSNP情報の収集を拡大する。
⑤雌牛G評価の迅速化
本年8月から、雌牛のG評価結果の農家への提供を、申し込みから1か月程度に迅速化する。
⑥情報の拡充
分娩形質(難産率・死産率)のG評価を開始※するとともに、A2(βカゼイン2型)の遺伝子解析情報の提供など、活用できる情報の拡充を進める。

※ これにより、ヤングサイアや未経産牛についても、遺伝的能力評価値が公表される。
⑦理解を深めるための取り組み
国内で乳用牛改良を行う意義を理解し、国内G評価とヤングサイアに対する理解を深めるため、わかりやすい資料の作成や情報発信等をこまめに行う。関係者への説明や意見交換の場なども設定する。
なお、実施計画の詳細につきましては、添付の「2023年度乳用牛改良推進実施計画」をご覧ください。

<乳用牛改良推進協議会について>
わが国の乳用牛改良が多くの課題を抱える中、関係団体が同じ問題意識や方向性を持ち一体となって課題解決に取り組むため、(独)家畜改良センター、(一社)日本ホルスタイン登録協会、(一社)ジェネティクス北海道、(株)十勝家畜人工授精所、(一社)家畜改良事業団は、令和2年11月に「乳用牛改良推進協議会」を設立しました。
乳用牛改良推進協議会は、各都道府県の乳用牛改良関係者と連携して、我が国の乳用牛改良を推進します。

2023年度乳用牛改良推進実施計画

 

<お問い合わせ先>
乳用牛改良推進協議会 事務局
一般社団法人 家畜改良事業団
東京都江東区冬木11-17
担当 足達和徳(あだち かずのり)、大野 栞(おおの しおり)
TEL/FAX:03-5621-8914/03-5621-8917
E-mail:adachi@liaj.or.jp
黒毛和種の『雄牛に起因する低受胎DNA マーカー』検査の開始について

家畜改良事業団(理事長 富田育稔)は、令和5年7月3日(月)から黒毛和種の「雄牛に起因する低受胎DNAマーカー」検査を開始することとしましたのでお知らせします。
黒毛和種種雄牛の中には、精液性状が正常にも拘わらず、極端に受胎率の低い個体が稀に存在しています。低受胎の原因は単純でありませんが、このDNAマーカー検査は受胎性に問題のある種雄牛を事前にみつけるためのツールの一つとして活用できますので、種雄牛の供用開始前での検査をご案内するものです。
【概要】
受胎率が10%以下の顕著な低受胎を引き起こす種雄牛について次世代シーケンスを用いた比較解析を行ったところ、ウシ第5番染色体に有意な候補領域を検出しました。
今回の検査には、当団が実施する他の遺伝的不良形質検査とは異なり、原因となる遺伝子が特定されていないため、表現型との関連が強く示された領域のSNP(一塩基多型)をDNAマーカーとして原因遺伝子変異の遺伝子型を推定する検査です。
下のグラフは候補種雄牛303頭の受胎率をSNP型に分類したもので、AA型の種雄牛の受胎率は20%以下でした。GG 型の中にも20%以下の受胎率を示す候補種雄牛がいますが、これは精液性状など他の原因によるものと推定しています。このため、本検査結果によりAA型以外の結果を得た種雄牛が低受胎を引き起こさないことを保証するものではありません。
本技術については特許権(特許第 7041415 号)を取得しております。

補足資料

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
家畜改良技術研究所
群馬県前橋市金丸町316
TEL/FAX:027-269-2441/027-269-9331
技術担当 技術開発部 絹川 将史(きぬかわ まさし)
E-mail:m-kinukawa@liaj.or.jp
検査担当 遺伝検査部 宮崎 義之(みやざき よしゆき)
E-mail:y-miyazaki@liaj.or.jp
「P黒948 福之姫」の死亡について

令和5年6月2日(金)、当団繋養種雄牛「P黒948 福之姫」が、急性心不全のため、10歳10か月で永眠いたしました。
「福之姫」は、平成24年8月4日に栃木県大田原市で生まれ、平成30年2月に26現検前期にて選抜供用され、和牛改良に大きく貢献してまいりました。
これもひとえに、生産者の皆様、関係団体の皆様方のご支援ご愛顧の賜物と心から感謝を申し上げます。
まずは、略儀ながら書中をもってご報告いたします。

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
東京都江東区冬木11-17 イシマビル17F
担当 改良部
TEL/FAX:03-5621-8915/03-5621-8917
E-mail:webmaster@liaj.or.jp
牛群検定支援対策の実施について

家畜改良事業団(理事長 富田 育稔)は、乳用牛の飼養管理の改善と牛群の改良に役立つ牛群検定の普及を推進するため、都府県の検定組合等に対し、本年度、次の支援を行うこととしたのでお知らせします。
生乳の需給緩和や生産コストの増加など厳しい酪農情勢の中、牛群検定を活用して生産性向上を図る酪農家を支援します。

(支援の内容)
① 牛群検定システムの高機能化に対応するためのパソコンの提供
② 牛群検定に係る県別成績の無償配布
③ コメント付牛群検定成績表(通称赤ペンコメント)の無償配布
④ 牛群検定の試行(注1)に係る乳量計の性能検査費用の補助
⑤ 新たな検定項目である脂肪酸組成(注2)に係る校正費用の補助
⑥ ミルクメーターの性能維持に必要な検査機器の貸与
(注1)家畜改良事業団は、牛群検定を実施していない農家が6か月間の試行を行う場合に、その費用を補助する事業(通称「お試し事業」)を実施しています。
(注2)乳脂肪中には飼料や体脂肪に由来する脂肪酸が含まれており、その組成をみることで牛の健康状態がわかります。

なお、牛群検定に関する情報は家畜改良事業団ホームページをご覧ください。
牛群検定・個体識別

乳用牛群検定普及定着化事業のしくみ

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
情報分析センター
東京都江東区冬木11-17 イシマビル
担当 山口 茂樹(やまぐち しげき)、橋口 昌弘(はしぐち まさひろ)
TEL/FAX:03-5621-8921/03-5621-8922
E-mail:toiawase@liaj.or.jp
令和4年度乳用牛群能力検定成績速報について

家畜改良事業団(理事長 富田育稔)では、乳用牛群検定全国協議会と連携して、全国の牛群検定成績の集計・分析を行っています。この度、令和 4 年度における乳用牛群能力検定成績速報をとりまとめましたので、その概要をお知らせします。
1. 令和4年の305日乳量は、9,939kgと過去最も高い結果となりました。
2. 繁殖成績は、分娩間隔が426日(中央値402日)と昨年から3日短縮し、最も分娩間隔が長かった平成23年からは12日間短縮しました。
3. 産子の性別をみると、北海道ではメス産子が 58.4%、都府県では 55.9%となり、性選別精液の利用が増えていることがうかがえます。(昨年度は北海道 57.7%、都府県 55.8%)

令和4年度乳用牛群能力検定成績のまとめ(概況・速報)

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
情報分析センター
東京都江東区冬木11-17 イシマビル
担当 山口 茂樹(やまぐち しげき)、橋口 昌弘(はしぐち まさひろ)
TEL/FAX:03-5621-8921/03-5621-8922
E-mail:toiawase@liaj.or.jp
交配種雄牛自動選定機能を G-Eva®に搭載!!

家畜改良事業団(理事長 富田育稔)は、肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービス(G-Eva®:ジーバ)について、令和5年5月17日(水) より新しいバージョンでの運用を開始しましたのでお知らせいたします。
G-Eva®は当団のゲノミック評価を実施した方が利用でき、スマートフォン、パソコン・タブレットから無料で利用できるサービスです。最新情報を常に閲覧することが可能になるとともに、個々の牛あるいは自分の牛群全体のゲノミック育種価の分析や選択した種雄牛との産子の能力予測である交配予測などが可能です。
今回のバージョンアップでは、DNA情報に基づく遺伝的距離・産肉能力などを加味した交配種雄牛を選定する機能を搭載しました。この機能は利用者が産子に求める能力を設定し、条件に当てはまる交配種雄牛が自動で表示されます(別紙)。また、発育関連形質の一つである生時体重については、本牛と交配種雄牛の能力から産子の生時体重を予測して表示する機能も追加されます。
G-Eva®の利用申込はゲノミック評価申込窓口を通じて受け付けます(既にご利用頂いている方は自動的に新バージョンへ切り替わります)。

<肉用牛ゲノミック評価およびG-Eva®の経緯>
当団では平成27年度から繁殖雌牛を対象にした枝肉6形質のゲノミック評価を開始後、令和元年9月からは脂肪酸組成2形質、令和4年9月からは発育関連形質2形質、令和5年4月からは発育関連形質1形質の項目を追加して実施おりますが、それら評価結果について、多様な情報利用が可能になる肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービスG-Eva®の運用を令和2年12月から開始しています。

別紙

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
家畜改良技術研究所
群馬県前橋市金丸町316
担当 遺伝検査部 荻野 敦(おぎの あつし)
TEL/FAX:027-269-2441/027-269-9331
E-mail:ogino@liaj.or.jp
「ゲノミック育種価を活用した合理的な肉用牛生産体系」についてのリーフレットを作成しました

家畜改良事業団は、「ゲノミック育種価を活用した合理的な肉用牛生産体系」に取り組んだ実証事例を掲載した2種類のリーフレットを作成しましたのでお知らせします。
当団は日本中央競馬会の畜産振興事業として「 肉用牛の高度生産体系確立・普及事業 」を令和2年度から3年間実施し、ゲノミック育種価を活用 することで、肉用牛の効率的な優良雌牛群の整備・バランスが良く斉一性の高い肥育素牛生産・輸入牛肉との差別化ができる交雑種牛肉生産等が可能であることを協力農家等で実証いたしました。

【作成したリーフレット】

○ゲノミック育種価活用による望ましい遺伝的特性を有する肥育素牛生産
繁殖牛のゲノミック育種価を見て、その特徴を捉えて枝肉重量もしくはBMSを改良しつつオレイン酸割合が高まるよう、期待育種価が一定以上になる種雄牛を選択して交配することで、目的に応じた肥育素牛の生産が可能となることを実証しました。
このことにより、枝肉量(肉質)と脂肪酸組成の安定した牛肉生産が期待できます。

○脂肪酸組成ゲノミック育種価を活用した輸入牛肉との差別化ができる交雑種牛肉の生産
交雑種生産において、脂肪酸組成のゲノミック育種価が高い種雄牛を選択して交配することで、黒毛和種並みの不飽和脂肪酸割合となる交雑種牛肉の生産が可能となることを実証しました。
このことにより、輸入牛肉との差別化、交雑種牛肉のブランド化が期待できます。

本リーフレットは、農協など指導・普及機関を中心に配布を行っておりますが、必要な方は当団の担当に問合せをお願いします。なお、当団ホームページでもご覧いただくことができます。

ゲノミック育種価活用による望ましい遺伝的特性を有する肥育素牛生産

脂肪酸組成ゲノミック育種価を活用した輸入牛肉との差別化ができる交雑種牛肉の生産

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
情報分析センター
東京都江東区冬木11-17 イシマビル
担当 事業部
小園 勇輔(こぞの ゆうすけ)、吉ざわ 努(よしざわ つとむ)
TEL/FAX:03-5621-8912/03-5621-8917
種雄牛の「発育関連形質ゲノミック評価」の解説リーフレットの配布について

家畜改良事業団は、今年度に実用化した肉用牛の発育関連形質(在胎期間・生時体重・日齢枝肉重量)のゲノミック評価を解説したリーフレットを作成し、3月6日(月)から配布することとしましたのでお知らせします。
家畜改良事業団は、日本中央競馬会の畜産振興事業として「肉用牛改良形質情報収集強化事業」を実施しており、このリーフレットは、その成果として昨年公表した種雄牛の「生時体重」と「日齢枝肉重量」に加え、本年2月に公表した「在胎期間」の3つの形質を「発育関連形質」としてまとめたものです。
発育関連形質については、評価の概要や現場での活用方法など、多数の問合せが寄せられています。このため、リーフレットでは、生産現場での活用促進を目的として、「発育関連形質」の公表に至る背景や、データ概要、各形質の遺伝率と遺伝相関、活用方法、種雄牛案内の見方などについて解説を記載しています。(添付ファイル参照)

本リーフレット(7,000部)は、3月6日(月)より各種雄牛センターから配布を予定しています。また、当団ホームページでもご覧いただくことができます。
なお、種雄牛の情報につきましては、家畜改良事業団ホームページ「黒毛和種種雄牛案内2023年版」をご確認ください。

発育関連形質ゲノミック評価リーフレット

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
情報分析センター
東京都江東区冬木11-17 イシマビル
担当 改良部
黒木 一仁(くろぎ かずひと)、四宮 将和(しのみや まさかず)
TEL/FAX:03-5621-8915/03-5621-8917
肉用種雄牛の「在胎期間ゲノミック育種価」を公表

家畜改良事業団は、肉用種雄牛の「在胎期間ゲノミック育種価」を2月9日にホームページにおいて公表することとしましたのでお知らせします。
当団は日本中央競馬会の畜産振興事業として「肉用牛改良形質情報収集強化事業」を実施しています。本事業は令和3年度からの事業で、初年度の成果として、令和4年2月4日に「種雄牛の生時体重ゲノミック育種価」を公表しました。今回、2年度の成果として、生時体重とも関連のある「在胎期間のゲノミック育種価」を公表することとしたものです。

【公表の背景】
肉用種雄牛の生時体重ゲノミック育種価は、分娩時の子牛体重を予想できるため、生産者の皆様に好評を得ており、交配種雄牛の選定にご活用頂いております。
当団主催の会議や講演会等で、生時体重の解説をしたところ、生時体重に加え、分娩日を予想するための参考情報として“在胎期間のゲノミック育種価”について、多くの要望がありました。
この様な背景から、当団協力農家より授精記録、分娩記録および生時体重記録を収集する仕組みを強化し、種雄牛の遺伝的能力評価項目のひとつとして、“在胎期間ゲノミック評価”を実用化しました。種雄牛の「在胎期間ゲノミック育種価」を公表することにより、生産者の皆様には、生時体重のゲノミック評価と併せて、より効果的に交配種雄牛の選定にご活用頂けます。
なお、先に公表した種雄牛の「生時体重」、「日齢枝肉重量」および「在胎期間」の3つの形質を「発育関連形質」として情報提供をすることとしております。
肉用種雄牛の「在胎期間ゲノミック育種価」については、家畜改良事業団ホームページよりご確認ください。

資料

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
情報分析センター
東京都江東区冬木11-17 イシマビル
担当 改良部
黒木 一仁(くろぎ かずひと)、四宮 将和(しのみや まさかず)
TEL/FAX:03-5621-8915/03-5621-8917

2022年

肉用牛(繁殖)雌牛ゲノミック評価第3弾
発育関連形質(生時体重・日齢枝肉重量)の評価開始!

家畜改良事業団(理事長 富田 育稔)は、雌牛のゲノミック評価について、新たに発育関連形質を評価対象に加えることとしました。発育関連形質に関するゲノミック評価の受託実施は我が国で初めてのことです。評価項目は、生時体重および日齢枝肉重量の2項目です。当団では平成27年度から繁殖雌牛を対象にした枝肉6形質のゲノミック評価を開始後、令和元年9月からは脂肪酸組成2形質のゲノミック評価を追加しています。
さらに令和4年2月からは当団供用種雄牛の生時体重ゲノミック育種価の公表を開始していますので、今回開始する雌牛のゲノミック評価結果と併せて利用する事で、産子の生時体重について予測精度が高くなります。近年、枝肉重量を重視した交配により産子の大型化が進み、難産や分娩事故が増加傾向にありますが、生時体重ゲノミック育種価を利用した交配により、産子の体重を予想できるようになり、分娩事故の低減が期待できます。
また日齢枝肉重量は、農林水産省が公表している家畜改良増殖目標(令和2年3月)に記載されている形質で肥育期間の短縮や飼料利用性の向上に利用できます(種雄牛のゲノミック育種価は令和4年8月に公表)。
申込受付は令和4年9月1日(木)より開始し、9月22日(木)までに送付された試料について10月末に評価を実施します。過去に枝肉形質の評価を実施済みの個体について、追加で発育関連形質のゲノミック評価を申し込む場合には、新たな試料は必要としません。申込みの手続きは肉用牛ゲノミック評価窓口に問合せ願います。

肉用牛ゲノミック評価 Web 情報提供サービス(G-Eva )のバージョンアップについて

家畜改良事業団(理事長 富田 育稔)は、肉用牛ゲノミック評価 Web 情報提供サービス(G-Eva:ジーバ)(※)について、令和4年7月20日(火)より新しいバージョンでの運用を開始しますのでお知らせいたします。
当団では平成27年度から繁殖雌牛を対象にした肉用牛の遺伝的能力評価として枝肉6形質のゲノミック評価を開始、令和元年に脂肪酸組成2形質を追加し、令和2年 12 月からはゲノミック評価実施者にとって便利で多様な情報利用が可能になる肉用牛ゲノミック評価Web 情報提供サービスG-Evaの運用を開始しています。
今回のバージョンアップでは、ゲノミック評価対象個体および当団供用種雄牛について、相対的遺伝的距離散布図を表示することになりました。従来の血統情報による血縁関係とは別に、実際の DNA 情報に基づいた相対的遺伝的距離(DNA による血縁関係)を算出し、G-Eva上において、別紙の散布図として無料提供することとします。これによりG-Eva上で牛群の遺伝的距離を二次元の散布図として表示し、交配候補の種雄牛との位置関係も一目で把握できるようになります。また、ゲノミック評価窓口団体もG-Evaはご利用できますので、地域の遺伝的多様性の把握等が容易になります。
G-Evaの利用申込はゲノミック評価申込窓口を通じて受け付けます(既にご利用頂いている方は自動的に新バージョンへ切り替わります)

 

※G-Eva:当団ゲノミック評価を実施した方がアクセスでき、スマートフォン、パソコン・タブレットから無料で利用できる Web アプリ

別紙

公式 SNS の運用開始について
YouTube での「生時体重ゲノミック評価について」の動画公開!

家畜改良事業団は、令和4年7月7日(木)より新たに公式SNS(「Twitter」、「Facebook」、「YouTube」)の運用を開始しましたのでお知らせします。
当団は、ホームページ、メールマガジン、LIAJ News などを活用して繋養種雄牛に関する最新情報、新たな改良情報、各種事業の成果など、様々な取組みについての情報を発信してまいりました。
今回、この情報発信に加え、TwitterとFacebookで様々な情報を発信してまいります。また、YouTubeでは当団の最新技術の活用方法などの解説動画や種雄牛の動画などを提供してまいります。
今般、SNSの運用を始める最初の発信は、新たに改良情報として現場での利用が始まった「生時体重ゲノミック評価について」です。生時体重のゲノミック育種価について解り易く解説した動画が出来ましたのでYouTubeに掲載したことをお知らせします。
ホームページと共にSNSを運用することで更にタイムリーな情報発信を行ってまいりますので、ご利用の程よろしくお願いいたします。

令和3年度乳用牛群能力検定成績速報について

家畜改良事業団(理事長 富田 育稔)では、乳用牛群検定全国協議会と連携して、全国の牛群検定成績の集計・分析を行っています。この度、令和3年度における乳用牛群能力検定成績速報をとりまとめましたので、その概況をお知らせします。

1.令和3年の305日乳量は、順調に推移し9,830kgと過去最も高い結果となりました。繁殖成績は、全国平均では分娩間隔429日(中央値403日)と昨年から2日短縮しました。
2.最も分娩間隔が長期化した平成23年からは9日間短縮しましたが、305日乳量は654kg増えています。
3.自動搾乳(搾乳ロボット)検定(以下自動検定)が急速に普及しており、ホルスタインでは305日乳量も顕著に伸びて、全国平均で11,354kgとなりました。
4.性選別精液による雌雄の生み分けも進み、北海道ではメス産子が57.7%、都府県では55.8%でした。

令和3年度乳用牛群能力検定成績のまとめ(概況・速報)

参考資料

肉用牛ゲノミック評価受託サービスにおける相対的遺伝的距離散布図の提供の開始

家畜改良事業団(理事長 伊地知俊一)は、繁殖雌牛向け肉用牛ゲノミック評価受託サービスにおいて令和4年7月20日(水)より相対的遺伝的距離散布図の提供を開始することにしましたのでお知らせいたします。
当団では平成27年度から繁殖雌牛を対象にした枝肉6形質のゲノミック評価を開始後、令和元年9月からは脂肪酸組成2形質のゲノミック評価を追加し、令和2年12月からは肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービス(G-Eva)(※)の運用を開始しています。
近年、黒毛和種においては系統間交配が進み、従来からの父系による系統では、分類が難しく、交配相手との血縁関係も把握が困難な状況になりつつあります。一方、ゲノミック評価に用いられるDNA情報を利用することによって、血統情報による従来の血縁関係とは別に、実際のDNA情報に基づいた相対的遺伝的距離(血縁関係)が算出できるようになりました。
そこで今回、G-Eva上において、ゲノミック評価対象個体および当団供用種雄牛について、相対的遺伝的距離を散布図として無料提供することとします。これによりG-Eva上で牛群の遺伝的距離を二次元の散布図として表示し、交配候補の種雄牛との位置関係も一目で把握できるようになります。また、窓口団体等の畜産関係団体等についてもG-Evaはご利用できますので、地域の遺伝的多様性の把握等が容易になります。

 

※G-Eva:当団ゲノミック評価を実施した方がアクセスでき、スマートフォン、パソコン・タブレットから無料で利用できる Web アプリ。利用申込はゲノミック評価申込窓口を通じて受付けます(既にご利用頂いている方は自動的に提供されます)。

乳用牛の暑熱対策に朗報!
乳用牛群検定においてTHI(不快指数)を提供開始します

1 乳用牛群検定参加農家にTHI(※)の提供を、本年4月から都府県において順次開始しています。THIは、テレビの天気予報で不快指数として、よく紹介されており、乳用牛の暑熱対策に利用出来るものです。毎月の検定成績表に掲載し、各検定農家に直接郵送しておりますので、検定農家はどなたでも利用できます。
2 乳用牛群検定では、平成29年(2017 年)から、気象庁のアメダス(地域気象観測システム)との連携を行っており、各検定農家から距離的に一番近いアメダス(平均約10km)の気象情報から、最高・最低・平均気温や降水量等の情報提供を行ってきました。今回は、そこに湿度が加わり、THIとして検定農家への提供が可能になりました。(THIの活用例は次ペ-ジ)

※THI(温湿度指数 temperature-humidity index 不快指数と呼ばれる)

参考資料

「ゲノミック育種価を活用した合理的な肉用牛生産をすすめよう!」リーフレットの配布について
(肉用牛の高度生産体系確立・普及事業の普及資料)

家畜改良事業団は、日本中央競馬会の畜産振興事業として、「肉用牛の高度生産体系確立・普及事業」を実施しています。肉用牛のゲノミック評価は平成28年度より実施し、育種価情報を提供しておりますが、本事業では、ゲノミック育種価を活用した肉用牛の効率的な優良雌牛群の整備、バランスが良く斉一性の高い肥育素牛生産、産地ブランド力の強化、輸入牛肉との差別化できる牛肉生産等が可能であることを、協力農家等で実証するとともに、生産現場のデータを収集、分析し、生産体系の確立に活用できる情報として提供し、普及を図ることを目的としています。
このたび、その一環として、ゲノミック育種価の活用方法を含めた活用事例について、生産現場の事例も取り上げながら、「ゲノミック育種価を活用した合理的な肉用牛生産をすすめよう!」として、リーフレットを作成いたしました。
本リーフレットは、農協など指導・普及機関を中心に配布を行ったところですが、当団ホームページでも掲載いたします。

「ゲノミック育種価を活用した合理的な肉用牛生産をすすめよう!」リーフレット

肉用牛「生時体重ゲノミック育種価」の解説リーフレットの配布について

家畜改良事業団は、今年度に実用化した肉用牛の生時体重ゲノミック育種価を解説したリーフレットを作成し、2月28日(月)から配布することとしましたのでお知らせします。
家畜改良事業団は、日本中央競馬会の畜産振興事業として「肉用牛改良形質情報収集強化事業」を実施しており、初年度の成果として「肉用牛の生時体重のゲノミック評価」を実用化し、2月7日に供用種雄牛の「生時体重ゲノミック育種価」を公表しました。
種雄牛の生時体重ゲノミック育種価を公表したことから、評価に関する概要や正確度、現場での活用方法など、多数の問合せが寄せられています。このため、生時体重のゲノミック育種価の技術的な解説リーフレットを作成することとしました。
リーフレットでは、生産現場での活用を促進することを目的とし、生時体重ゲノミック育種価公表に至る背景や、データ概要、種雄牛案内の見方などの解説を記載しています。(添付ファイル参照)
本リーフレット (7,000 部) は、2月28日(月)より各種雄牛センターから生産現場の皆様への配布を予定しています。また、当団ホームページにも掲載いたします。
種雄牛の情報につきましては、家畜改良事業団ホームページ「黒毛和種種雄牛案内2022年版」よりご確認ください。

 

国内初!肉用種雄牛の「生時体重ゲノミック育種価」を公表

家畜改良事業団は、国内で初めて、供用中種雄牛の「生時体重ゲノミック育種価」を2月7日にホームページにおいて公表することとしましたのでお知らせします。
当団は日本中央競馬会の畜産振興事業として「肉用牛改良形質情報収集強化事業」を実施しています。本事業は令和3年度からの事業で、初年度の成果として、「肉用牛の生時体重のゲノミック評価」を実用化しました。ゲノミック評価技術については、令和4年1月20日に開催した委員会において、外部の専門家という第三者の立場で専門的・客観的に検証して頂いた結果、実用化レベルであるとの評価を受けました。このことを踏まえて、供用中の種雄牛の枝肉 6 形質、脂肪酸組成の育種価に加え、新たに生時体重の育種価を公表することとしたものです。

【公表の背景】
肉用牛の枝肉重量は改良の効果により向上しています。種雄牛においても、肉量の確保という視点から、枝肉重量の大きい能力を備えた種雄牛の活用も多く、その影響もあり、近年、子牛の生時体重も大きくなる傾向にあると言われています。
以前より、繁殖農家の皆様より、「この種雄牛の生時体重は大きいのか?小さいのか?」、「初産に活用しても難産など問題はないのか?」などの声がありました。
この様な要望から、当団協力農家より授精記録、分娩記録および生時体重記録を収集する仕組みを作り、種雄牛の遺伝能力評価項目のひとつとして、「生時体重ゲノミック評価」を実用化しました。種雄牛の生時体重ゲノミック育種価を公表することにより、交配種雄牛の選定など、現場でご活用いただけるようにいたしました。

肉用種雄牛の「生時体重ゲノミック育種価」については、家畜改良事業団ホームページよりご確認ください。

生時体重ゲノミック育種価の概要

新たな総合指数(NTP)について

乳⽤⽜改良推進協議会※1では、乳⽤⽜改良の⾼度化を図るため、乳⽤種雄⽜後代検定や遺伝評価技術等に関する課題を整理する乳⽤⽜改良体制検討会を開催するとともに、その全国調整のため、⽣産者や学識経験者、改良団体、家畜⼈⼯授精師などから構成される乳⽤⽜改良推進会議を開催しています。
令和3年7⽉に開催された乳⽤⽜改良推進会議において、総合指数(NTP)※2 の計算式を 2022年2⽉評価(2⽉15⽇公表予定)から変更することが決定されました。
今回の総合指数(NTP)の変更は、家畜改良増殖⽬標に掲げられている⽣涯⽣産性の向上を⽬的としたもので、NTPの構成要素である産乳成分の割合を 10%減らし、耐久性成分に在群能⼒を新たに 10%加えた計算式となっています。泌乳形質の改良量を若⼲減少させますが、⻑命性の向上により⽣涯⽣産性を⾼める⽅向に改良が進むよう、⼀般社団法⼈ ⽇本ホルスタイン登録協会により開発されたものです。
変更内容の詳細につきましては、独⽴⾏政法⼈ 家畜改良センターのホームページ等でご確認ください。

 

※1 乳⽤⽜改良推進協議会
わが国の乳⽜改良に関する課題を解決するため、関係団体が同じ問題意識や⽅向性を持ち、⼀体となって基幹事業を推進する体制を構築するために⽴ち上げた協議会。
⼀般社団法⼈ ⽇本ホルスタイン登録協会、⼀般社団法⼈ ジェネティクス北海道、株式会社⼗勝家畜⼈⼯授精所、独⽴⾏政法⼈ 家畜改良センター、⼀般社団法⼈ 家畜改良事業団が会員。
※2 総合指数(NTP:Nippon Total Profit Index)
泌乳能⼒と体型をバランス良く改良することで、着実に⻑期間供⽤できる経済性の⾼い乳⽤⽜を作出するための指数で、産乳成分、耐久性成分、疾病繁殖成分で構成される。

肉用牛の「生時体重ゲノミック評価技術」が実用化レベル

家畜改良事業団は日本中央競馬会の畜産振興事業として「肉用牛改良形質情報収集強化事業」を実施しています。本事業は令和3年度からの3カ年事業で、「生時体重から出荷までの体重に関する形質のゲノミック評価の正確度の向上を図るための情報強化を行い、畜産現場で活用できるレベルで実用化する。」ことが事業内容の1つとなっています。そのうち、「生時体重ゲノミック育種価」について、令和4年1月20日に、統計育種学やゲノム研究の専門家の参集を得て、遺伝的能力評価精度向上検討会を開催しました。検討会開催にあたり専務理事から「肉用牛の生時体重ゲノミック評価技術について、外部の専門家という第三者の立場で専門的・客観的に検証をおこなってもらいたい」との趣旨説明があり、専門委員により技術的検証が行われましたので、その結果をお知らせします。

検討会での検証の結果、当団が本事業で検証した「生時体重のゲノミック評価技術」について次のような評価が行われました。
① 種雄牛の遺伝的能力(ゲノミック育種価)を、評価するにあたってのリファレンスデータ数(生時体重の表現型約4万頭、SNP 情報約11,000頭)およびその質は十分である。
② 今後も継続的にリファレンスデータ(SNP情報、生時体重の表現型、血統情報データ)を収集するシステム構築が進められており、安定した精度の高いゲノミック評価が行える体制にある。
③ 評価手法は妥当であり、枝肉形質同様に高い正確度が得られている。
④ なお、種雄牛の生時体重ゲノミック育種価を表示する場合は、現場への説明を丁寧に行い、さらに有効活用方法を検討して欲しい。

以上の評価を踏まえて、当団種雄牛の「生時体重ゲノミック育種価」の公表について検討することとします。

肉用牛ゲノミック評価 Web 情報提供サービス(G-Eva® )のバージョンアップについて

家畜改良事業団(理事長 伊地知俊一)は、肉用牛ゲノミック評価 Web 情報提供サービス(G-Eva®:ジーバ)について、令和4年1月11日(火)より新しいバージョンでの運用を開始しましたのでお知らせいたします。
当団では平成27年度から繁殖雌牛を対象にした枝肉6形質のゲノミック評価を開始後、令和元年9月からは脂肪酸組成2形質のゲノミック評価を追加し、令和2年 12 月からはゲノミック評価実施者にとって便利で多様な情報利用が可能になる肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービスG-Eva®の運用を開始しています。
G-Eva®は当団のゲノミック評価を実施した方がアクセスでき、スマートフォン、パソコン・タブレットから無料で利用できるサービスです。今までの紙媒体のゲノミック評価成績報告書に比べ、最新情報を常に閲覧することが可能になるとともに、個々の牛あるいは自分の牛群全体のゲノミック育種価の分析や選択した種雄牛との産子の能力予測である交配予測などが可能です。
今回のバージョンアップでは、交配予測のグラフを見やすくするとともに、交配予測の結果や最新のゲノミック評価値が報告書形式でダウンロードできるようになりました。G-Eva®の利用申込はゲノミック評価申込窓口を通じて受け付けます(既にご利用頂いている方は自動的に新バージョンへ切り替わります)。

G-Eva®のバージョンアップ内容は以下のとおりで、別紙の図でイメージができます。
1. 交配予測グラフには本牛・種雄牛・産子のチェックボックスを設定し、表示・非表示切り替え機能追加により視認性を強化
2. ゲノミック評価値・交配予測結果を PDF ファイルとしてダウンロードできる機能を追加し、最新の評価値を報告書形式で印刷して活用できるなど利便性を強化
3. 種雄牛一覧 Plus+へのリンクを設置、リンク先の一覧では当団種雄牛のゲノミック評価値などの最新情報を掲載
4. 窓口団体が利用できるアカウントでは、従来の機能に加え、今まで不可能であった交配予測が可能になり、交配の助言・指導にも利用可能。また、窓口団体以外の農協などの地域関係団体も利用できるアカウントを追加。

G-Evaのバージョンアップについて

2021年

乳用牛ゲノミック情報の高度利活用を推進する
「乳用牛改良にゲノミック情報を活用しよう!」の配布について
(乳用牛ゲノミック情報利活用促進事業の普及資料)

家畜改良事業団は、日本中央競馬会の畜産振興事業として、「乳用牛ゲノミック情報利活用促進事業」を実施しています。乳用牛ゲノミック評価(ゲノミック情報)は平成25年より提供されていますが、十分な活用に至っていない現状があります。そこで、本事業では、ゲノミック情報の高度利活用を推進することで、酪農家のゲノミック情報の高度利活用の促進と優良牛群の整備、生乳生産量の維持に貢献することを目的としています。
このたび、その一環として、(独)家畜改良センターの協力を得て、ゲノミック情報活用法の促進と情報発信を目的としたリーフレット「乳用牛改良にゲノミック情報を活用しよう!」10,000部を作成・配布することとしました。
本リーフレットは、生産現場である牛群検定実施農家や酪農関係団体を中心に配布を予定しています。なお、本リーフレットは11月24日(水)より順次発送するとともに、当団ホームページでも掲載をいたします。

乳用牛改良にゲノミック情報を活用しよう!

ゲノミック評価のための耳片試料の取扱開始について

家畜改良事業団(理事長 伊地知俊一)は、明日、令和3年7月1日(木)より乳用牛SNP検査および肉用牛ゲノミック評価のための検査試料として、市販の耳片採取器材を使用して採取した耳片試料の取扱いを開始しますのでお知らせいたします。
SNP 検査・ゲノミック評価の検査試料として現在のところ毛根試料が最も定着していますが、申込者の希望や都合に合わせた検査試料の選択肢の一つとして、今後普及が急速に進むと考えられる耳片試料を追加いたします。
耳片試料を選択するメリットとして、他の試料と比べて格段に採取が簡便・迅速・確実であることに加え、試料の均一化が図られるため、試料の劣化・不足が原因の再検査や試料再採取の低減が見込まれます。
耳片試料の詳細は、以下のウェブページに掲載しています。
家畜改良技術研究所ウェブサイト
ウシ>ゲノミック評価>サンプルの採取方法>耳片の採取方法
http://liaj.or.jp/giken/usi_ghyouka_saishu.html#jihen

資料

肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービス(G-Eva®)のバージョンアップについて

家畜改良事業団(理事長 伊地知俊一)は、肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービス(G-Eva®:ジーバ)について、バージョンアップを行い、令和3年4月13日(火)より新しいバージョンでの運用を開始しますのでお知らせいたします。
当団では平成27年度から繁殖雌牛を対象にした枝肉6形質のゲノミック評価を実施してきました。さらに、令和元年9月からは脂肪酸組成2形質のゲノミック評価を追加し、昨年12月からはゲノミック評価実施者にとって便利で多様な情報利用が可能になる肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービスG-Eva®の運用を開始しています。
G-Eva®は当団のゲノミック評価を実施した方がアクセスでき、スマートフォン、パソコン・タブレットから無料で利用できるサービスです。今までの紙媒体のゲノミック評価成績報告書に比べ、最新情報を常に閲覧することが可能になるとともに、個々の牛あるいは自分の牛群全体のゲノミック育種価の分析や交配種雄牛の選択により産子の能力予測などが可能になっていました。
今回のバージョンアップでは、生産者の利便性を高めるために、独自の耳標の編集や備考欄の新設、選択個体の一時的非表示などを可能にしました。利用申込はゲノミック評価各申込窓口を通じて受け付けます(既にご利用頂いている方は自動的に新バージョンへ切り替わります)。

G-Eva®のバージョンアップ内容は以下のとおりです。
1. 利用者による自家耳標の編集
2. 備考欄の新設
3. 選択した個体の一時的非表示機能
4. 個体の削除(除籍)機能

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
家畜改良技術研究所
群馬県前橋市金丸町316
担 当 遺伝検査部
塗本 雅信(ぬりもと まさのぶ)
TEL: 027-269-2441
FAX: 027-269-9331
E-mail: nurimoto@liaj.or.jp

令和2年度畜産・酪農生産力強化対策事業(家畜生産性向上対策事業)における
ベストパフォーマンス実現セミナーのWeb動画の掲載について

家畜改良事業団(理事長伊地知俊一)では、生産技術の改善と向上のためのセミナーとしてWeb動画を作成し、当団のHPに掲載しましたのでお知らせします。
これは、酪農家等を対象とした各種研修会が新型コロナウイルスの蔓延防止のため中止されている状況を鑑み、自宅でも研修を受講できるように配慮して作成したものです。どなたでも無料で自由に閲覧できます。

なお、このWeb動画は(公社)中央畜産会が実施する畜産・酪農生産力強化対策事業(家畜生産性向上対策事業)により作成したものです。
1 URL  http://liaj.lin.gr.jp/japanese/kentei/kentei_s2.html

無料です。また、会員登録等の手間はありません。
2 内容 ベストパフォ-マンス実践セミナ-
① 牛群検定情報の活用 ~ 乳量編 ~ 20分程度
② 牛群検定情報の活用 ~ 乳成分編 ~ 20分程度
3 講 師
(一社)家畜改良事業団情報分析センタ-
家畜改良アドバイザ- 渡邊 徹
(元 わたなべ酪農ゼミナ-ル 代表)

 

<お問い合わせ先>
一般社団法人 家畜改良事業団
情報分析センター
東京都江東区冬木11-17 イシマビル
担 当 相原 光夫(あいはら みつお)
郡司 さとみ(ぐんじ さとみ)
TEL: 03-5621-8921
FAX: 03-5621-8922
E-mail: toiawase@liaj.or.jp

乳用牛ゲノミック情報の高度利活用を推進する
「乳用牛改良にゲノミック情報を活用しよう!」の配布について
(乳用牛ゲノミック情報利活用促進事業の普及資料)

家畜改良事業団は、日本中央競馬会の畜産振興事業として、「乳用牛ゲノミック情報利活用促進事業」を実施しています。乳用牛ゲノミック評価(ゲノミック情報)は平成25年より提供されていますが、十分な活用に至っていない現状があります。そこで、本事業では、ゲノミック情報の高度利活用を推進することで、酪農家のゲノミック情報の高度利活用の促進と優良牛群の整備、生乳生産量の維持に貢献することを目的としています。
このたび、その一環として、(独)家畜改良センターの協力を得て、ゲノミック情報活用法の促進と情報発信を目的としたリーフレット10,000部を作成・配布することとしました。
本リーフレットは、生産現場である牛群検定実施農家や酪農関係団体を中心に配布を予定しています。なお、本リーフレットは3月8日(月)より順次発送するとともに、当団ホームページでも掲載をいたします。

肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービスG-Eva®(ジーバ)の商標登録完了について

家畜改良事業団(理事長:伊地知俊一)は、令和2年12月1日に運用開始しました肉用牛ゲノミック評価Web情報提供サービス「G-Eva®(ジーバ)」の商標を出願していましたが、令和3年1月26日に発行され、別紙のとおり商標登録証が届きましたのでお知らせいたします。

 

〇G-Eva®(ジーバ)とは
当団のゲノミック評価を実施した方がスマートフォン、パソコン・タブレットからアクセスすることのできるWeb情報提供サービスです。ゲノミック評価を行った個体の最新の評価結果が閲覧できるほか、当団種雄牛情報・交配による産子の予測評価表示や牛群の一覧表示・各種グラフによる分析が可能です。
なお、G-Eva®はGenomic-Evaluationより称したものです。

G-Eva登録商標

2020年

P黒647「美津照重」惜しまれながら逝く

平成20年8月の選抜以来、当団の主力種雄牛であった P黒647「美津照重」が令和2年12月4日に老衰で死亡しましたのでお知らせします。16歳8か月でした。
「美津照重」は(独)家畜改良センター宮崎牧場において、産子の枝肉成績が良好だった「いつみ」(父:美津福)に肉質の改良力を固定させる狙いで「美津照」(父:美津福)を息娘交配し、平成16年3月29日に生まれました。その後、17間検候補牛として当団が繋養し、間接検定を優秀な成績で終了、平成20年8月に選抜され、凍結精液の全国供給が開始されました。
これまでに性選別精液を含む約583,000本(当団歴代3位)の凍結精液が生産、供給されています。(公社)全国和牛登録協会によると子牛登記頭数は、令和2年12月3日現在、205,000頭を超え、その産子は子牛市場でも高い評価で取引されています。枝肉市場でも全国規模の枝肉共励会において入賞の常連となるなど、各地の枝肉共励会でも大活躍しており、最近では母方に「美津照重」を持つ産子も出荷されはじめています。
また、「美津照重」を父に持つ後継種雄牛としては、これまで「琴照重」、「美津茂重」、「美津金幸」、「美津之国」の4頭が検定済種雄牛として選抜され、その凍結精液が全国に供給されています。これから成績が判明する 7 頭の候補種雄牛も控えており、非常に楽しみです。
このように「美津照重」の改良と増殖、両面での和牛界への貢献は多大なるもので、今後も「美津照重」の遺伝子が綿々と引き継がれ、貢献することを期待しています。

肉用牛ゲノミック評価 Web 情報提供サービスG-Eva(ジーバ)の運用開始について

家畜改良事業団(理事長 伊地知俊一)は、平成27年度から繁殖雌牛を対象にした枝肉6形質のゲノミック評価を実施してきました。さらに、昨年9月からは脂肪酸組成2形質のゲノミック評価を追加しました。
このたび、このゲノミック評価結果を軸に、ゲノミック評価実施者にとって便利で多様な情報利用が可能になる肉用牛ゲノミック評価 Web 情報提供サービス(G-Eva:ジーバ)の開発が終了しましたので、令和2年12月1日(火)より運用を開始しますのでお知らせいたします。
今までの紙媒体のゲノミック評価成績報告書に比べ、最新情報を常に閲覧することが可能になるとともに、個々の牛あるいは自分の牛群全体のゲノミック育種価の分析や交配種雄牛の選択により産子の能力予測などが可能になります。
G-Eva は当団のゲノミック評価を実施した方がアクセスでき、スマートフォン、パソコン・タブレットから無料で利用できます。利用申込はゲノミック評価各申込窓口を通じて受け付けます。
なお、G-Eva は Genomic-Evaluation より称したもので、商標登録出願中です。
G-Evaの主な機能は以下のとおりです(別紙参照)。

1. ゲノミック評価した牛の最新の評価結果(ゲノミック育種価)の閲覧
2. 従来のゲノミック評価成績報告書の記載事項に加え、評価した全個体の血統等の関連情報の閲覧
3. 当団供用種雄牛情報や交配による産子の予測評価表示
4. 牛群の能力が把握しやすいように一覧表示や各種グラフによる分析
5. ゲノミック育種価等のデータのダウンロード

G-Evaの概要(別紙1・2)

肉用牛のゲノミック評価等の令和元年度の実施状況について

家畜改良事業団(理事長 伊地知俊一)は、令和元年度の肉用牛ゲノミック評価(G 評価)等の実施状況を取りまとめましたので、次のとおりお知らせします。
1. 令和元年度の肉用牛の G 評価実施件数(県や当団の各種事業による実施分を含む。以下同じ。)は、15,357件と前年度より25.6%増加した(注1)。
2. うち枝肉6形質のG評価は13,351件と前年度より9.2%増加した。なお、前年度に大規模経営体から依頼のあった大口案件を除くと前年度より 39.2%の増加となり、肉用牛G評価の普及が進んでいる。
3. 残りは、昨年10月から評価を開始した脂肪酸組成にかかるG評価で、2,006件であった。半数以上は県単事業など県単位での依頼であったが、個別農家からと思われる依頼も多かった。
4 肉用牛のSNPタイピング(LD・50k チップ等)のみの検査は3,054件で89.8%増と大幅に増え、他機関でのG評価の実施件数も増加していると思われる(注2)。

(注1)件数はG評価した雌牛の頭数。なお、窓口団体からの依頼がほとんどなので、依頼のあった農家戸数の詳細は不明だが、実施地域も増えていることから実施農家戸数も増えていると思われる。
(注2)G 評価を実施している機関(県、独法、団体)のほとんどはSNPタイピングから行っているが、一部にSNPタイピングのみを当団に依頼している機関がある。

肉用牛の生産システムの高度化を提案する
「技術の組合せによる生産力アップ・収益力アップの提案」の配布について
(乳肉用牛増頭等生産システム高度化推進事業の普及資料)

家畜改良事業団は、標記事業(日本中央競馬会畜産振興事業)において、遺伝的能力評価技術である肉用牛ゲノミック評価を主軸に各種の家畜繁殖技術を組み合わせ、肉用牛生産の生産力・収益力を向上させるような取り組みを推進してまいりました。
このたび、その一環として、それらの改良技術および繁殖技術の利用法をまとめたリーフレットを作成・配布することとしましたので同封いたします。
本リーフレットは、肉用牛ゲノミック評価実施者のほか、当団各種雄牛センター等でも配布を予定しております。なお、配布は2月10日(月)以降を予定にしていることを申し添えます。
ご不明な点がありましたら、当団家畜改良技術研究所に直接問合せ願います。

乳肉用牛生産技術高度化セミナーの開催について

家畜改良事業団は、下記により乳肉用牛生産技術高度化セミナーを開催いたしますのでご案内申し上げます。
本セミナーは、ゲノミック評価(遺伝的能力評価)を主軸に各種の家畜繁殖技術を組み合わせて生産力・収益力を向上させるよう取り組み、その成果について技術者と生産者からのご報告を予定しています。
申し込みについては当団ホームページのお知らせの『乳肉用牛増頭等生産システム
高度化推進事業 乳肉用牛技術高度化セミナー のご案内』もしくは URL:http://liaj.or.jp/giken/image/koudokaseminar2020.pdf に申込書を準備していますので印刷の上、ご記入後027-269-9331までFAXしていただきたくお願いいたします(なお、参加費は無料です)。
ご不明な点がありましたら当団家畜改良技術研究所に直接問合せ願います。

1.開催日時
令和 2 年 2 月 13 日(木) 13:30~
2.開催場所
〒108-0014 東京都港区芝 5-29-14 田町日工ビル
TKP 田町カンファレンスセンター(ホール2A)
3.講演内容
1)乳用牛のゲノミック評価および牛群検定(後代検定)の現状とその有効活用
2)肉用牛ゲノミック評価、Sort90 および受精卵移植等を用いた肉用牛生産の現状
3)肉用牛ゲノミック評価および Sort90 を用いた肉用牛生産の現状
4)脂肪酸組成および新たな形質のゲノミック評価

2019年

肉用牛の脂肪酸組成と海外マーケット戦略と交雑種の脂肪酸含有量の差による食味実演

家畜改良事業団は黒毛和種における新たな改良形質への取り組みとして、今年度より脂肪酸組成のゲノミック評価(GBLUP 法)における種雄牛の遺伝的評価を公表したところです。
これらの遺伝的評価は、純粋黒毛和種への交配における次世代の食味改良を促進し、海外への牛肉輸出促進への期待がもたれるところです。そこで、今般は海外へのマーケットの現状とそれを積極的に手掛ける鳥山社長(群馬県肥育農家)を招聘し、「肉用牛の脂肪酸組成と海外マーケット戦略(仮題)」と題し講演を頂きます。また、同時に乳用牛への交配により生産される交雑種肉の食味へのアプローチとして、脂肪酸含有量の高低の差について調理方法で実感する実演を行います。

1.開催日時
令和元年 12 月 3 日(火) 13:30~17:00
2. 開催場所
〒 371 -0023 群馬県前橋市本111丁2-16-I
前橋さくらホテル  TEL 027-220-1818
3. 講演および実演
1)脂肪酸組成のゲノミック評価について(講演)14: 00~
2)肉用牛の脂)」方酸組成と海外マーケット戦略(仮題)(講演講師:鳥山畜産社長)14:30~
3)オレイン酸とは?(実演と講演)15:30~

肉用牛の脂肪酸組成形質のゲノミック評価の受託開始について

家畜改良事業団は、これまで枝肉形質を対象に実施してきた雌牛のゲノミック評価について、新たに脂肪酸組成形質を評価受託の対象に加えることとしました。脂肪酸組成に関するゲノミック評価の受託実施は我が国で初めてのことです。評価項目は、一価不飽和脂肪酸(NUFA)割合およびオレイン酸割合の2項目です。
申込受付は令和元年9月2日(月)より開始し、9月25日(水)までに送付された試料について10月評価から実施します。申込みの手続きは当団家畜改良技術研究所に直接問合せ願います。
また、過去に当団で枝肉形質のゲノミック評価を実施済みの個体について追加で脂肪酸組成形質のゲノミック評価を申し込む場合には、新たな試料は必要とせず、10月15日(火)までに申し込み頂ければ同様に評価を実施します。
なお、脂肪酸組成形質の評価については、先に開催しました「肉用牛の脂肪酸組成に係るゲノミック評価技術検証委員会」により、『後代を持たない種牛(特に若い雌牛)の脂肪酸組成の遺伝的能力評価法として有効である』との評価を頂いております。
脂肪酸組成形質のゲノミック評価に関するこれまでの取組の経緯は別紙のとおりです。

脂肪酸組成のG評価

肉用牛の脂肪酸組成に係るゲノミック評価技術と利用について

家畜改良事業団は、別紙1のとおり令和元年7月5日(金)に、統計育種学やゲノム研究の専門家から成る肉用牛のゲノミック評価技術検証委員会を開催し、「家畜改良事業団が実施する種雄牛における脂肪酸組成のゲノミック評価(GBLUP 法)については実用レベルにある」との評価を頂きました。
これを受けて、8月1日に開催した肉用牛産肉能力平準化促進事業(種雄牛造成)に係る改良委員会において、27後期の検定済種雄牛の選抜についての諮問に加え、平準化事業における「脂肪酸組成のゲノミック育種価」の取扱について諮問し、次の答申をいただきました。

1. 脂肪酸組成のゲノミック育種価は、選抜時の参考情報として利用すること。
2. 検定済み種雄牛の遺伝的能力評価の表示項目として、少なくとも一価不飽和脂肪酸(MUFA)、オレイン酸の2項目を表示すること。
3. 交配する雌牛の遺伝的能力の把握も重要であり、その対応を検討すること。

なお、今回の改良委員会での諮問・答申に至った経緯は別紙2のとおりです。

別紙

ウシの遺伝子型検査に用いる試料の拡充について

家畜改良事業団では、これまでウシの遺伝子型検査の試料を毛根とし、より確実にDNAの抽出ができるように相応量の採取をお願いしてきましたが、幅広く、他の試料での検査の可能性を求め検討を重ねてきました。
このたび、検査を依頼される皆様の利便性を高めるため、別紙のとおり遺伝子型検査に用いる試料の種類を拡充しました。
各試料に対する若干の注意事項がありますので、担当者に確認のうえ実施していただくことにより、お送りいただいた試料を用いて確実に検査を行えるよう努めてまいります。
*フリーマーチン検査の場合は、従来通り血液が必要です。

検査資料対応(別紙)

2018年

肉用牛産肉能力平準化促進事業の改良委員会の概要について
~ 26前期の選抜牛、26後期からはゲノミック評価への移行が適当との答申 ~

家畜改良事業団は2月1日に肉用牛産肉能力平準化促進事業(種雄牛造成)に係る改良委員会を開催しましたので、その概要をお知らせいたします。
今回の改良委員会では、26前期の検定済種雄牛の選抜についての諮問に加え、次回から選抜の指標としての遺伝的能力をゲノミック評価に移行することについて諮問し、次の答申をいただきました。
1. 26前期の検定済種雄牛として選抜答申のあった種雄牛は6頭
P黒948 福之姫、P黒979 舞菊福、P黒982 愛之国、E黒028 新岡光 81(岡山県有)、P黒983 美津茂重、P黒980 忠勝晴
2. 選抜指標の1つとしての遺伝的能力評価
26後期(平成30年7月選抜予定)から、遺伝的能力評価をゲノミック評価に切り替えることが適当である。

なお、ゲノミック評価については、1月11日に、統計育種学やゲノム研究の専門家から成る肉用牛のゲノミック評価技術検証委員会を開催し、「日本中央競馬会の畜産振興事業で家畜改良事業団が開発した産肉形質のゲノミック評価は実用レベルにある」との評価を頂いています。

肉用牛のゲノミック評価技術検証委員会の開催結果について

家畜改良事業団は日本中央競馬会の畜産振興事業として「肉用牛ゲノミック評価検討事業」を実施しています。本事業は平成27年度からの3カ年事業で、「産肉形質のゲノミック評価技術について、改良現場・生産現場での有効性(実用レベルにあるかどうか)の検証を行い、実用化技術とする」ことが事業内容の1つとなっています。
このため、昨日(1月11日)、統計育種学やゲノム研究の専門家の参集を得て、肉用牛の産肉形質のゲノミック評価技術検証委員会を開催しましたので、その結果をお知らせします。

委員会での検証の結果、当団が本事業で開発した肉用牛の産肉形質のゲノミック評価技術について次のような評価が行われました。
① 計画交配で生産された雄子牛から候補種雄牛を選定する一次選抜に使えるレベルにある。
② 検定済種雄牛を選抜する際の指標としても十分に使えるレベルにある。
③ 計画交配対象雌牛などの遺伝的能力の把握にも有効に使える。特に、若い雌牛の能力把握に有効である。

あわせて、次のような留意すべき事項の指摘がありました。
① ゲノミック評価には適切なリファレンス集団の確保が必須であり、常に新しいリファレンスを追加していくこと。
② 種雄牛の選抜には現場後代検定が必要であり、質の高いリファレンス集団の確保にも欠かせない取り組みであることから、その継続を図ること。
③ 今後も、評価精度の検証を継続的に実施するとともに、近交の高まりに留意して対応すること。
④ 産肉形質以外の繁殖性や飼料効率などの形質についても研究を進めること。
肉用牛ゲノミック評価技術検証委員会の概要は別紙のとおりです。

別紙

2016年

「二層式新ストロー(FCMax)技術」 米国特許取得!

当団の家畜改良技術研究所で開発した二層式新ストロー(FCMax)は、平成27年の国内特許取得(特許第 5738314 号)に続き、平成28年5月17日に米国でも特許を取得(US 9,339,360)し、この7月26日に米国から特許認定証が到着しました。
これにより、FCMax は国内だけでなく米国でも認められた技術となりました。現在、カナダおよび欧州にも特許を申請中です。

FCMax は受胎率向上のツールであり、FCMax で生産した凍結精液では受胎率が6%程度向上することが確認されています。
当団では、本技術を一部の一般凍結精液およびすべてのSort90(性選別精液) に適用しています。

特許の概要については別紙に添付いたしましたのでご覧ください。

特許の概要

2015年

二層式新ストロー(FCMax)特許取得!

家畜改良事業団は、これまで独自に開発・提供してきた「二層式新ストロー(FCMax)技術」について、今般、特許を取得しました。(特許第 5738314 号)

この二層式新ストロー技術は、近年のホルスタイン種等の受胎率低下を打開すべく開発した新たなストロー充填技術で、従来型ストローと比較して受胎率が約6ポイント向上することが実証されているものです。

当団は、この二層式新ストロー技術を「FCMax」と命名し(商標登録申請中)、通常精液の一部に続き性選別精液(Sort90)の全てに適用・供給してきました。現場からは「受胎率が向上した」など広く好評をいただいており、引き続き本技術を適用した凍結精液の供給拡大に努めていきます。

2014年

乳用牛のための新しい交配相談システム(BOSSシステム)の開発について

一般社団法人家畜改良事業団(東京都江東区 理事長信國卓史)において、乳用牛のための新しい交配相談システム(BOSSシステム Best Operation of Super Sire)を開発しました。10月1日より一般にサ-ビスを開始しましたので、その概要をお知らせします。

1 開発の経緯
我が国の乳用牛改良においては、後代検定事業を通じて多くの優秀な検定済種雄牛を作出し、当団をはじめ国内の人工授精所から凍結精液を供給してきました。我が国は国際的遺伝評価組織であるインタ-ブルに参加しており、作出される検定済種雄牛は世界的に上位にあることが実証されています。また、遺伝評価に関しても世界的に最先端の技術力を有しています。
一方、牛群の飼養規模が大きくなっている中で、こういった優秀な検定済種雄牛を期待どおりの高い改良効果が発揮できるように交配するには、牛群検定デ-タなどを駆使した交配相談システムの活用が極めて有効となります。当団においても従来からBOSSシステムという名称で運用してきましたが、このたび、日進月歩で進展する遺伝評価技術や遺伝情報に対応し、生産者の方々の多岐にわたる改良ニーズにお応えできるようBOSSシステムを一新しました。
もちろん、昨今課題となっている近親交配についても、一般社団法人日本ホルスタイン登録協会のご協力を得て、近交を回避できるようにシステム化してあります。

2 BOSSシステムの主な機能
(1)改良希望点
農家が日頃改良したいと考えていることを自由に改良希望点として設定して、最大の改良効果が発揮できる種雄牛を最優先で選定するのがBOSSシステムの特徴です。改良希望点は第1~第3希望までの3点を、次の①~③の19の形質や部位、項目から選ぶことができます。従来と比べ選択項目が格段に多くなりました。
①泌乳能力
乳量や各乳成分値、体細胞スコア、乳代効果、泌乳持続性など10形質
②選抜指数
総合指数(NTP)、産乳成分、耐久性成分、疾病繁殖成分の4項目
③体格得点
決定得点及び体貌と骨格、肢蹄、乳用強健性、乳器の4部位、計5項目
(2)種雄牛の絞り込み(選定要件)
供用可能な国内種雄牛に対して選定要件を設定する新機能です。選定要件とは、例えば、過肥や削痩の遺伝傾向をもつ種雄牛は選定の対象外にするなど、特定の要件で種雄牛を絞り込むことを言います。設定可能な項目は、高さや胸の幅といった体型の線形情報18形質に長命連産効果をあわせた19項目となります。
(3)その他
近親交配のみならず、遺伝的に難産や死産となりやすい交配を避けることが新たにできるようになりました。
(4)選定される種雄牛
それぞれの農家の改良希望に最も効果を発揮できる種雄牛が選定されます。ただし、対象種雄牛は我が国の後代検定事業により選抜されたものに限ります。

3 牛群検定
BOSSシステムのサービスを受けるためには、牛群検定を行っている必要があります。牛群検定未加入農家については、当団が6カ月間の牛群検定経費を助成する牛群検定の試行事業を実施しています。また、近親交配を避けるためには、血統登録を取得する必要があります。

4 ご利用にあたって
BOSSシステムのサービスは無料です。ご希望の場合は、最寄りの当団種雄牛センタ-、事業所、駐在所にご連絡ください。詳細については、当団ホ-ムペ-ジを参照願います。

性選別精液(Sort90)の受胎率アップ!
─ 二層式新ストローの効果実証 ─

家畜改良事業団は、新しく開発したストロー充填技術*1(二層式新ストロー:特許申請中)を性選別精液(Sort90)にも適用し、従来型ストローに比べて大幅に受胎率が向上することを実証しました。
近年、ホルスタイン種の受胎率が低下しています。このような状況を打開すべく試験研究を重ねてきました。この新ストロー充填技術は、雌雄の産み分け処理をしていない精液を用いて未経産牛から経産牛まで人工授精し、受胎率は従来型ストローと比較して約6%高いことが確認されていたものであり、その最新技術を平成22年度から性選別精液にも導入してきました。

今般、平成19年7月から26年2月までのホルスタイン種における受胎モニタリングの成績をまとめた結果、未経産牛、経産牛ともに、従来型ストローと比較して二層式新ストローの受胎率がそれぞれ 46.7→52.7%、32.5→38.9%と、約6%向上することを確認しました。二層式新ストローのSort90 は経産牛においても、性選別していない通常の凍結精液を用いた場合の受胎率と遜色のないレベルにあります。

家畜改良事業団では、この結果を踏まえ、今後、二層式新ストローを使った性選別精液について、ホルスタイン種に加え、黒毛和種のSort90 の供給も充実させていきます。

別紙

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