おいしさの成分分析
家畜改良事業団では、優れた種雄牛を造成するため様々な取組みをしてきました。
このような中で、家畜改良技術研究所においては、将来おいしさによる種雄牛側からの育種改良を可能にするため、おいしさの成分分析と遺伝的評価の開発に取り組んできています。
また、最近では牛肉だけにとどまらず、豚肉の美味しさについても分析に取り組んでおります。
おいしさの成分分析で測定する項目
おいしさの要素としては、味・におい・テクスチャーがあり、それらが複雑に組み合わさっておいしさを形成しています。
おいしさの解明は一筋縄では行きませんが、おいしさに関わるとされる成分を測定・比較することは重要な事と考えております。
1.脂肪酸組成 [7成分]
主に脂肪のとける温度に関与し、脂肪の口どけの指標となります。
牛肉の脂の融け方の違いを動画でご覧いただけます!
牛肉の脂の融け方の違い
2.アミノ酸関連物質一括測定 [25成分]
アミノ酸は、甘味系・苦味系・酸味系・うま味系に分類されます。アミノ酸以外にタウリンや一部のジペプチドも一括して分析します。
味や匂いに関与すると考えられています。
以下の物質の肉1g中の量を測定します。
- アスパラギン酸
- グルタミン酸
- ヒドロキシプロリン
- セリン
- アスパラギン
- グリシン
- グルタミン
- β-アラニン
- タウリン
- ヒスチジン
- トレオニン
- アラニン
- カルノシン
- アルギニン
- プロリン
- アンセリン
- チロシン
- バリン
- シスチン
- メチオニン
- イソロイシン
- ロイシン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- リジン
アミノ酸分析関連物質につきましては、現在受付を停止させていただいております。あしからずご了承ください。
3.糖質 [2成分]
味(甘み)や匂いに関与すると考えられています。
以下の物質の肉1g中の量を測定します。
- グリコーゲン
- グルコース
4.その他の成分など [5項目]
水分、蛋白、脂肪といった基本的な栄養成分をはじめ、味やにおいに関連すると考えられるペプチド、リン脂質を測定します。
以下の物質の肉1g中の量を測定します。
- 水分含有率
- 粗蛋白含有率
- 粗脂肪含有率
- ペプチド含有率
- リン脂質