凍結精液の生産・供給

1.品質の高い凍結精液の生産・配布


乳用牛・肉用牛の能力向上を図るため、我が国の遺伝資源を活用した改良事業の成果である優良な種雄牛の凍結精液を、各種雄牛センターから都道府県の精液取り扱い窓口団体にご協力頂きながら全国に配布しています。
種雄牛の管理、凍結精液の生産は、高度な技術レベルをもって万全の体制で進めています。
生産された凍結精液は高度な品質管理を行っています。

和牛精液及び和牛受精卵の譲渡契約約款について

2.新しい技術の投入


FCMaxとは(Fertilization(受精),Conception(受胎),Management(経営)をMaximum(最大)にすることを願い命名した技術です。
特許第5738314号,商標第5778973号
 
①ストローへの精液充填方法を一層から二層(精液層と希釈液層)に変更
②凍結保護物質のグリセリンを融解後に希釈することにより、精子の生存性と運動性を高める仕組み
③綿栓側の希釈液層に、融解後の精子に特別なエネルギー源を補充
・精子が使いやすいエネルギー物質(糖類)と、その取組みを促進すると考えられる物質(塩類)を添加
・最適なpHに調整

Sort90とは牛の精液には、X精子とY精子がおよそ1:1の割合で混ざっています。 X精子が卵子に侵入して受精が完了すれば雌、Y精子であれば雄の受精卵となり、妊娠を経て子牛へと発育します。
精子を顕微鏡で見ると、見かけの上では全く同じに見えます。しかし、X精子とY精子はDNAの量が3.8%違っていることが判っています。そのDNA量の差を利用して、90%の正確度で精子を選別することができるようになりました。
この技術により選別した精液を産み分け用選別精液と呼び、(一社)家畜改良事業団では一般の精液と区別するために、「Sort90(ソートキュウジュウ)」という名称で呼ぶことにしました。

盛岡、前橋、岡山および熊本種雄牛センターで生産したすべての凍結精液の検査は、各センターの生産業務の中で行っていますが、家畜改良技術研究所では、各センターで定期的に抽出した一部の凍結精液についてより詳しい品質検査を行っています。その検査結果は、各種雄牛センターに報告し、凍結精液の品質管理と種雄牛の健康管理に利用しています。
また、凍結精液の品質検査をより正確かつ短時間に行うことを目的として、新しい技術の開発に取り組んでいます。
家畜改良技術研究所で行っている検査内容は、以下のとおりです。

1.精子の活力
顕微鏡と連動した運動解析装置を用いて、精子の運動性、直進性、運動速度等を測定し、総合的な精子活力の評価を行います。

2.精子活力の維持率
精子を牛の体温と同じ38℃で6時間までインキュベーションし、精子活力の維持率を検査します。

3.分析型フローサイトメーターによる精子の検査
受精に関与するタンパク質分解酵素やヒアルロニダーゼ等を含有する精子頭部の先端にあるアクロソームの正常率を検査します。

4.精子の形態
精子を染色し、顕微鏡で精子の先体、頭部、中片部および尾部の形態異常の有無を判定します。

5.精子数
精子数測定装置でストローに封入されていた精子数を測定します。